2025/06/01 19:00

「包丁をちゃんと砥いでいるのに、切れ味が戻らない…」
そんなとき、実は見落としがちなのが“砥石の面(おもて)”の状態。

砥石は使っていくうちに、少しずつ真ん中が削れて“くぼみ”ができてしまいます。
この「くぼみ」を直す作業が面直し(めんなおし)です。

この記事では、砥石の面直しの必要性と、
「紙やすり」、「砥石同士」を使った2つの簡単なやり方を丁寧に解説します。

1. 砥石の面直しとは?|切れ味に影響する“見えない原因”

面直しとは、文字通り砥石の面(表面)をまっすぐ平らにする作業です。

包丁を何度も砥いでいると、砥石の中央部分ばかりが削れて、
“おわん型”にへこんでしまうことがあります。

すると・・・

包丁の刃が正しく当たらず、全体が砥げない

・角度がバラバラになり、切れ味が安定しない

・「ちゃんと砥いでるのに切れない」という状態になる

こうした悩みを解消するのが、面直しです。

2. 面直しが必要なタイミング|砥石が“カタカタ”したら要注意

面直しは毎回やる必要はありませんが、砥石の表面が平らじゃなくなってきたら必須です。


☑️簡単なチェック方法

1. 定規や金属棒を砥石に当ててみる

2. 横から見て「すき間」ができていれば、くぼんでいる証拠です

3. 実際に包丁を当てたときに「カタカタ」と浮く感じがする場合も要注意

🔍POINT:なんか砥ぎづらいな?」と思ったら、まずは砥石の面を疑ってみましょう。

3. 砥石の面直しのやり方①|紙やすりを使う

一番安価にできる方法は、ホームセンターや100円ショップで手に入る紙やすり(耐水ペーパー)です。

🔧 準備するもの

  • 耐水ペーパー(#150 前後)

  • 平らなガラス板 or タイル or まな板 or プラスチック製の箱(風呂桶など)




🪛 手順

  1. 平らな台に耐水ペーパーを敷く(滑らないように)

  2. 砥石に、鉛筆などで格子模様を書く。

  3. ペーパーの上に水をかけ、砥石を当ててこする

    • 前後左右に動かしながら、ムラなく削る

    • 鉛筆で書いた線が消えていないところは、砥石が凹んでいるので、最後まで全体的に模様が消えるまでこする

    • 番手が粗すぎると砥石が減りすぎるので注意!

  4. 表面の泥を洗い流して、平らかどうかをチェック
  5. 角の面取りを行う

🔍POINT:「一度で完全に平らにしようとせず、少しずつ整える意識」が大切です。

4. 砥石の面直しのやり方②|番手の違う砥石を使う

番手の違う2種類の砥石を使い、面直しする「共ずり」方法もあります。番手が細かい方が削られていきます。

そのため、番手が荒い砥石は、面直し用の修正砥石、細かい砥石は面直しが必要な砥石として理解しておいてください。

修正砥石として使う砥石が平らな面である前提となります。


🔧 準備するもの

  • 砥石2種類(番手違い)

  • タオル or 滑り止め付き砥石台


🪛 手順

  1. 砥石2種類を水で濡らす

  2. 平らな台に修正したい番手の細かい砥石を固定する もしくは濡れたタオルの上に、修正したい砥石を置き、滑らない様にする

  3. 番手が粗い砥石で砥石の表面をこする 「の」の字を描くように ・全体に均等に圧をかけて

  4. くぼみが消えて、泥のような水が出てきたらOK

  5. 砥石の角を面取りをする

  6. 最後に水で洗い流し、軽く乾燥させる

5. 砥石の面直しのやり方③|面直し砥石を使う

修正砥石(面直し砥石)を使う方法は、もっともポピュラーなやり方です。 修正砥石を購入されると、説明書がついていますので、詳しくは各商品説明をご覧ください。 面直しする方法やポイントは共ずりと変わりはありません。

6. まとめ|砥石を整えることが、切れ味を守る第一歩

面直し=砥石の“健康診断”と考えて、定期的にやってあげましょう。

ぜひあなたの環境に合った方法で、面直しにチャレンジしてみてくださいね。